まちづくりオンデマンド。オンデ麺ド。

言うまでもない、オンデマンドのもじりである。必要に応じて必要なメンバーを随時集める手法を、富士宮やきそば学会は用いてきた。

もちろん、コアとなるメンバーはいるが、多くがそれぞれに仕事や家庭を持つ市民活動家である。全てが毎回瞬発力を発揮して参画できるわけではない。それほど、富士宮やきそばのスタートアップの、矢継ぎ早なPR展開がスピーディーであったことの裏返しかもしれない。

2011年ごろの世界プロジェクトも、四カ国五ヶ所で、それぞれ1週間から10日留守にするわけだから、コンプリートできるメンバーは稀有である。かくいう私も、世界プロジェクトはニューヨークのみで、あとは見送り&国内PRの補佐をしていた。

メンバーがコアメンバーだけに固定化しないことで、あらゆる化学反応的な可能性が生まれたり、人間力の高いメンバーが集うことで、困難な世界プロジェクトさえも可能にしたのだ。

もちろん弱点もある。強みの裏返しではあるが、オンデマンド故に強靭な組織運営ができない事から、ノウハウの蓄積、伝承に支障をきたしてしまうのである。

それでも、脈々と続いてきたのは、キーパーソンである渡邉英彦会長の、無私でいて精力的な行動と、それを支えてくれた渡邉家の家族、会長の無茶振りとも言える企画を一緒に遂行してきたコアメンバーの存在があったからに他ならない。

稀有な、絶妙な、奇跡とも言えるバランスの中で富士宮のまちおこしは実現してきた。もちろん、成功ばかりではない。むしろ失敗の方が多いくらいだ。それでも懲りない富士宮の中の麺々が、メディアをフル活用し、公衆の麺前に出続けた。

やきそば学会の規約に「顔出しをいとわないこと」とあるのは、ほんとの話である。(田邉元裕)